知っておきたい子宮筋腫の正しい知識

知っておきたい子宮筋腫の正しい知識


「子宮筋腫」という病気、耳にしたことがある人も多いかと思います。女性にとっては非常に身近な病気であるものの、具体的に知っている人は少ないのではないでしょうか。ここでは、女性なら誰でも知っておきたい子宮筋腫の正しい知識をご紹介します。

子宮筋腫ってどんなもの?

子宮筋腫は文字通り「子宮にできる筋腫(良性の腫瘍)」です。女性の病気の中で特に多いもので、40代の女性の4人に1人は子宮筋腫を持つといわれています。小さなものでは米粒くらいの筋腫もあり、ほぼ全ての女性が子宮筋腫を持っているといっても過言ではありません。

子宮筋腫自体は命に関わるものではありませんが、女性ホルモンによって大きくなることがあり、場合によっては10kgほどになるものもあります。閉経後には小さくなるものがほとんどです。数や大きさはさまざまですが、複数個できることが多く、大きさやできた場所によって症状が異なります。

子宮筋腫は、筋腫が育っていく方向によって3つの種類に分けることができます。最も多いのが子宮の筋肉の中で筋腫が大きくなっていく「筋層内筋腫」です。次が子宮の外側へ向かって成長する「しょう膜下筋腫」、そして最後が子宮の内側へ向かって成長する「粘膜下筋腫」です。「粘膜下筋腫」は数は少ないものの、一番症状が強く現れやすいという特徴があります。

子宮筋腫は自覚しにくく、特に筋腫が小さいうちは症状もあまり表面化しません。月経がだらだらと続く、出血量が増える、貧血になる、月経痛がひどい、などの症状がある場合は筋腫が原因かもしれません。症状に心当たりがある場合は、専門医を受診するようにしましょう。

子宮筋腫の治療方法

基本となる治療方法は薬物療法と摘出手術です。薬物療法では一時的に女性ホルモンの分泌を停止させ、人工的に閉経したような状態を作ります。これにより筋腫の重さを半分から3分の2程度まで縮小させることが可能ですが、治療を中断すれば筋腫は元の大きさに戻ってしまいます。薬物療法を行うことで更年期障害になったり、骨粗しょう症のリスクを高めたりする恐れもあります。

摘出手術では、筋腫のみを摘出する方法と、子宮ごと筋腫を摘出する方法とがあります。手術自体も、開腹手術だけでなく膣から子宮を取る手術や、開腹せずに腹腔鏡などの内視鏡を使って行う手術など、いくつかのパターンがあります。どの方法を選ぶかは、年齢や症状、筋腫の状態、妊娠を希望するかどうかなどの条件を総合的に判断して決定されます。

子宮筋腫は自覚症状がなく、健康に問題がない場合は急いで治療しなくても良い病気です。出血が多い、月経痛がひどいなどの場合や、筋腫が大きくなりすぎて他の臓器に影響を与えている場合などは、すぐに治療する必要があります。子宮筋腫自体は命に関わるものではありませんが、まれに肉腫などの悪性腫瘍(がんの一種)の場合もあるため、大きさや痛みが気になる場合は医師に相談すると良いでしょう。

子宮筋腫と不妊の関係

妊婦全体の約2~3%の人には、子宮筋腫が見つかるといわれています。これは妊娠を機に女性ホルモンが増え、その影響で筋腫が大きくなり見つかりやすくなったことも要因だと考えられます。子宮筋腫の大半は胎児の発育や分娩に影響はないといわれていますが、通常の妊婦に比べて子宮収縮が起きやすく、流産や早産の可能性が高くなります。

子宮筋腫がある人は、そうでない人に比べて不妊になりやすいことも指摘されています。筋腫ができることで子宮内の凹凸が増え、受精卵が着床しにくくなるからです。しかし、筋腫があるからといって妊娠が不可能なわけではないので、子宮筋腫があるから不妊になるとは限りません。