知っておきたい高プロラクチン血症の正しい知識

知っておきたい高プロラクチン血症の正しい知識


「高プロラクチン血症」という病気を知っていますか?不妊の原因になることもあり、重大な病気の前触れになることもある病気です。ピルや抗うつ剤、降圧剤などの薬を日常的に服用している人は特に知っておきたい、高プロラクチン血症についてご紹介します。

高プロラクチン血症とは?

プロラクチンは脳下垂体から放出される刺激ホルモンです。生殖や排卵、妊娠、授乳に深く関係しており、乳腺を刺激して乳汁を分泌させる働きがあります。授乳期に排卵を抑制し、次の妊娠を抑えるという働きも持っています。このプロラクチンが異常に亢進して授乳期でもないのに乳汁が分泌されたり、無排卵月経を引き起こしたりするものを「高プロラクチン血症」といいます。

プロラクチンの血中濃度の正常値は15ng/ml以下で、これより高いと高プロラクチン血症が疑われます。月経や排卵が止まる、乳汁が分泌される、頭痛や視野狭窄・視力異常といった症状が現れます。また、不妊症や習慣性流産との関連性も指摘されています。

高プロラクチン血症の原因は大きく分けると3つあります。

1.ピルや抗うつ剤

ピルや抗うつ剤といった薬の長期服用が原因である場合があります。精神科などで治療を受け薬を長期的に服用している人は、薬の影響でホルモンバランスが乱れ高プロラクチン血症になることがあるのです。対処としては、薬をやめるか量を減らすという方法があります。

2.下垂体にできた腫瘍

脳の下垂体に腫瘍ができるとホルモンバランスが乱れ、高プロラクチン血症になる場合があります。この場合は、頭痛や吐きけ、めまいといった症状を伴うことがあります。視野狭窄も多く見られ、両目の外側から視野が狭まってくることが多いようです。脳下垂体に腫瘍がある場合、妊娠によって腫瘍が急激に大きくなる危険性があり、最悪の場合、下垂体卒中を起こし命に関わる恐れもあります。

3.ストレス

先述にある2つのような明らかな原因がないのに高プロラクチンになっているときは、多くの場合ストレスが原因になっています。流産や人工妊娠中絶後に高プロラクチン血症が起こることも珍しくないため、精神的ショックに起因して発症することもあります。ストレスが原因と考えられるときは、心と体を休めて自律神経を調えるようにしていかなくてはいけません。

高プロラクチン血症の治療

高プロラクチン血症の治療は、薬剤の投与が基本となります。ただし、使用している薬剤が原因と考えられるときは、断薬か薬の変更が検討されます。どうしても薬を使い続けなくてはいけない場合は、ドーパミン受容体作動薬というドーパミン製剤が使われます。

脳下垂体の腫瘍が原因であるときは、薬物療法、手術療法、放射線療法といった手段があります。基本的には投薬によって腫瘍を小さくしていきますが、腫瘍が大きい、視力障害があるなどの場合は手術によって腫瘍を除去する必要があります。放射線療法も、腫瘍を小さくするために行います。

一般的に、高プロラクチンの治療には「ブロモクリプチン」という薬が使われます。しかし、この薬は吐き気やめまいといった副作用が強く、服用すると心身に負担がかかることもあります。投薬の期間には個人差があり、通常は一週間程度の服用で効果が得られますが、数年間服用を続ける場合もあります。副作用が気になるときは漢方薬への切り替えも可能なので、専門医に相談してみましょう。

高プロラクチン血症は不妊や月経不順の原因となるため、妊娠を希望する人は早めの治療が大切です。多くの場合が投薬で治療できるので、「もしかして」と思ったらすぐに専門医を受診しましょう。ストレス解消や体を温めることで、高プロラクチン血症を予防することもできます。